他歯科医院での出張手術と博多でのセミナーにインストラクターとして参加する為、9月30日(土)はとなります。
通院中の患者さんにはご迷惑おかけいたしますが、どうぞよろしくお願い致します。
下のケースは非常に難易度の高い歯周形成外科の症例になります。
歯と歯の間を埋めている歯肉を医学用語では歯間乳頭と言います。
この部位の組織は脆弱で弱い刺激で失われ、審美的に大きな問題を引き起こします。
それでも、簡単に解決できれば、大きな問題ではないのですがこの組織の再建は様々なハードルを超えなければなりません。
術前の診査診断を行い、うわべの歯肉だけではなく歯槽骨や歯のポジションなど解決するための重要なファクターを確認しなければいけません。
今回は、矯正治療の後戻りによる唇側傾斜を起こし、歯間離開を起こした事がこのような歯肉の喪失を増長させたと思われます。
そこで、まず炎症のコントロールを行い、元のポジションよりやや内方にIPRを駆使しインビザラインで矯正治療を行います。
この際、ラミネートベニアのエナメル質の削除量を0.2mm、装着予定の二ケイ酸リチウムが0.4mmにする為、矯正治療では0.4mm内側に入るよう設計します。結果として初診より0.2mm内側に位置付ける計画となります。
これはコンタクトを近接させる、コンタクトエリアを歯肉側に近づけることにより、より歯間乳頭を再生しやすい環境作りとなります。
その後、改めて再評価し、手術手技のトレーニングを行い、歯肉の厚みの改善と直接の歯間乳頭部に結合組織を位置付けました。
術後2週間ですが、歯肉の厚みが獲得されている事がわかります。
歯肉が落ち着いたところで、ラミネートベニアによる審美修復治療に移行する予定です。
上記の歯間乳頭再建術にかかる費用
歯間乳頭再建術(1回あたり) 132000円
注)必要によって複数回手術が必要な場合がございます。
このように術前の詳細な検査から根本的な原因を把握し,エビデンスベースの治療プランで確実な治療結果を導き出します。